僕が読み聞かせにセレクトする絵本は、どうやら他の人とは少し違うようなのですが、それは基本的に自分が気に入った絵本しか読んでこなかった結果にすぎません。では「僕はどんな絵本を好ましく思うのだろう」と自問自答してみると、ストーリーや構成に独自性があることはもちろんなのですが、音読してみて心地よいかどうかを重視している自分に気が付きました。読み聞かせなのですから音読が重要なのは当然ですが、これは読み聞かせに限らず全ての絵本にあてはまる重要ポイントのような気がしてきました。
海外の絵本には、韻を踏むために文章が長かったり説明過剰だったりするケースがありますが、それを日本語にする際に直訳してしまっても意味がありません。絵本の翻訳に必要なのは語学力ではなく日本語力です。そう思ってロングセラーと言われている翻訳絵本を見てみると、必ず日本語の持つリズムを良くわかっている方が訳しておられることに気が付きました。もしかすると逆に、今書店に並んでいる新刊の絵本で日本語のリズムを意識しているものが意外と少ない、ということはないでしょうか?
今後は、翻訳絵本に限らず音読を充分に意識した絵本が生き残っていく気がします。
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