赤木かん子さんは「子どもの本の探偵」として有名ですが、実は全国の学校の図書室の再生を手弁当でこつこつとなさっている方でもあります。赤木さんはそんな地道な活動を通して、現代の子ども達に好まれている本はどのような本なのか的確に把握されるようになりました。赤木さんのお話しを伺うと「子どもの活字離れ」など全くの作り事だということがわかります。
音楽の教科書に掲載される歌ががらりと入れ替えられていくのと同様に、子どもの本の世界にも流行りすたりがあるのです。昔自分が読んだ本だからという理由だけで子ども達に押し付けようとして失敗した方が「子どもの活字離れ」を語っているのではないでしょうか?最近、ロングセラーの絵本が売れなくなってきた、という話を聞きます。しかしそれを子どもの本離れのせいだと語る人がいたら要注意です。もうその本の神通力が通用しなくなったからだと僕は思っています。
赤木かん子さんによれば「1998年を境に子どもの読書傾向に世界的な断層が出来た」のだそうです。今の子ども達は新しい絵本や児童文学を待っているのです。訳知り顔で子どもの活字離れを嘆いている方には、是非この本を読んで現代を生きる子どもたちの読書事情を学ぶことをおすすめします。(赤木かん子/著 ポプラ社/刊)
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