2009年12月13日日曜日

講演?!

僕が所属している読書の会では毎月、講師をお呼びしてお話しを聞いているのですが、12月11日(金)はなんと僕が話をしました。子どもの本に特化した書店営業代行をしている僕のルーツのついてと、今なぜ絵本の読み聞かせをしているのか、そしてこれから何をしたいのかについて話をしました。予想外にお集まり頂いた参加者の中には、子どもの本業界の重鎮もいらっしゃり、その中で話しをするのはとても難しかったです。でも、自分の今までを整理し、今後自分は何がしたいのか、について考える良い機会をくださり、個人的にはとても有難かったです。

2009年12月9日水曜日

第四回『書店員が選ぶ絵本大賞』

今年もやります『書店員が選ぶ絵本大賞』!!第1回は『ルリユールおじさん』が次点に、第2回は『としょかんライオン』が大賞に、第3回は『バルバルさん』(福音館書店/刊 乾栄里子/文 西村敏雄/絵)が大賞に選ばれました。第4回はどの絵本になるでしょうか?絵本の奥付が、2009年1月から12月までの中から「私はこの絵本が売れると嬉しい」と思うものベスト3を教えてください。3冊でなくても2冊や1冊でも結構です。1位は3ポイント、2位は2ポイント、3位は1ポイントとして計算いたします。締切は2010年1月末日です。去年は気を抜いてしまって投票総数が下がってしまったので、今年は気合を入れて投票を呼びかけたいと思います。書店員ならどなたでも投票できますので、お気軽にご投票ください。  ご協力よろしくお願いいたします。

2009年11月3日火曜日

紙の本はなくなるのか?

アマゾンの電子ブックツール「キンドル」が日本で発売され、「近い将来、紙の本はなくなるのか?」といった話題が再燃し、中には訳知り顔で「もう出版業界に未来はないよ」という人もいます。それにしても、首をすくめて事の成り行きを傍観しているだけの出版社が多すぎはしないでしょうか。考えてみれば、紙の本を作っているのは出版社なのですから、紙の本が「なくなる、なくならない」は、ある意味、出版社が「作るか作らないか」だけです。もっと出版社は、キンドルやケータイやPCでは代用の効かない、紙の本ならではの商品を研究すべきだと思います。発売から1ヶ月の間に3千部の実売が見込めるのなら、紙の本を作り続けても成り立つでしょう。ですから、紙の本がなくなってほしくない読者のすべきことは、ただひたすら紙の本を買うことです。国の規則によって紙の本が作れなくなったり、黒船によって市場が焼け野原にされるわけではないのです。出版社も書店も読者も傍観者にならずに「紙の本がなくなるかどうかのイニシアティブは我々が握っている」という意識を、もっと強く持つべきなのではないでしょうか?

2009年10月29日木曜日

少女パレアナ

タイトルは女の子向け児童文学のようですが、全ての大人に読んでもらいたい小説です。
11歳のパレアナは両親を亡くし叔母の家に引き取られます。義務感だけでパレアナを引き取った叔母は、パレアナに何もない屋根裏部屋しか与えず、何かにつけてつらく当たっていました。しかしパレアナはどんなことに遭遇してもそこに喜びの種を見つけようとします。それは「喜びのあそび」と言って、亡くなった父親から教わったものでした。
おしゃべり好きで快活なパレアナは、その「喜びのあそび」の仲間を少しずつ増やしていったのでした。それまでは平凡な村の閉塞感の中で息を殺して暮らしていた村中の人たちが「喜びのあそび」によってみるみる明るく活発になっていったのです。
ところがある日パレアナは交通事故にあい下半身不随になってしまったのです。
さすがにこの時ばかりはなかなか喜びを見出せずにいたパレアナでしたが・・・。

『少女パレアナ』 エレナ・ポーター/著  松岡花子/訳 角川文庫/刊

2009年10月7日水曜日

「あそびうた」と「だじゃれ」

今や人気絵本作家である中川ひろたかさんは、実はあそびうたの第一人者でもあります。
全国の保育士さんや児童館のスタッフなどが、独自であそびうたを作っているのを知っていた 中川さんは、そういう人たちが集まる機会があったら良いな、とずっと思っていたそうです。 そうして実現したのが第1回『A1あそびうたグランプリ』。全国より応募のあった80曲から厳選 された36組が9月3日に予選会に集まり、本選に出場できる8組が決まりました。 審査員が、長谷川義史、藤本ともひこ、増田裕子、新沢としひこ、等等これまた豪華です。
第1回『A1あそびうたグランプリ』
10月25日(日)13時より、世田谷区民会館(松陰神社前)にて、入場料2000円。

その中川ひろたかさんがもう一つ力を入れているのが『D1だじゃれグランプリ』。 今までに新潟・静岡・東京・大阪・広島と地区大会を開催し、ついに全国大会が行われます。
『D1だじゃれグランプリ全国大会』
11月23日(祝)13時半より、江戸川区小松川さくらホールにて、入場料1000円。

いずれも“まるは”がお手伝いで行っていますので、興味のある方是非お越しください。

2009年9月23日水曜日

応援したい、手伝いたい、仲間になりたい。

僕はその人に会うために名古屋に行きました。本当は北海道の赤平という町に住んでいる方なのですが、ほとんど地元に帰れず全国を旅する毎日なのだそうです。今年の6月に彼の講演録を読んでからと言うもの、ずっと会う機会を探していた僕は、名古屋で講演があると聞き駆けつけました。43歳の丸顔で中肉中背の彼は、基本的にはいつも植松電気と書かれたつなぎを着ていますので、けして大勢の中で目立つタイプでもありません。小さいときから一人遊びが大好きで小学校の時は紙飛行機に夢中。中学高校とパッとせず、かろうじて入れたのが北のはずれの北見工業大学。同級生は受験に失敗していやいや入学してきた連中ばかり。そんな中で彼は大学生活を送ったそうです。
そんな彼がほんの5年前に北海道大学の永田先生に出会ったことによって、みるみる本格的なロケット実験に係わることになりました。小さいときから「落ち着きが無い、協調性が無い、勉強に集中しない、試験の点数が悪い」とバツをつけられ続けて来た彼が、「ロケットや飛行機の仕事なんてお前の成績じゃ無理、赤平に生まれた時点で無理」と言われた彼が、今や世界最先端の宇宙開発にかかわることができている経験から「子どもの可能性を奪い続けている今の社会はおかしい」と感じ、自腹でロケット教室を開いています。
今彼には壮大な計画があります。まず自腹で大学を作ろうとしています。3億円の借金をしてもう建物は出来てしまいました。北海道は世界的に見ても宇宙開発に最適なのだということに気づき、国際宇宙センター構想を掲げています。建物や道や電気ガス水道そして食物を安く供給できる実験をするために自腹で町を作ろうとしています。
北海道の平原のど真ん中で、たかだか43歳の町工場の男がこんな構想を実行に移そうとしているのに、それを知った我々がマッドサイエンティストでも見るように傍観していて良いのでしょうか?明らかにこれは日本の未来のためになる壮大な試みなのです。僕は応援します、手伝います、仲間になります。

植松電機 http://uematsu-electric.fte.jp/kaisya.html#
カムイスペースワークス http://www.camuispaceworks.com/

DVD&BOOK 植松努の特別講演会『きみならできる!「夢」は僕らのロケットエンジン』
現代書林/刊 税込4,200円

2009年9月2日水曜日

資本主義崩壊の首謀者たち

日本人の感覚からすると、アメリカの政治は「議会制民主主義のお手本」といったイメージがありますが、この本によるとアメリカの政治は一握りのユダヤ系財界人に牛耳られており、彼らは大企業の経営と政府の要職との間を行ったり来たりしては自分らに都合の良い政策に転換しているのだそうです。
しかもそのアメリカを牛耳っている企業は金融・保険・不動産に集中しているそうで、現在のアメリカの国民総生産のうち製造業の占める割合は13.6%にすぎないそうです。実業と虚業という言葉がありますが、今アメリカ経済を動かしているのは、マネーゲームと言われる虚業によるもので、その多くの利益が一握りのユダヤ系財界人の懐に滑り込む構造になっています。
8月31日に日本の政治は歴史的大転換を迎えました。しかし日本が今までと同じアメリカ追随政策を取り続ける限り、日本人がどんなに働いても日本が良くならないような気がしてなりません。
『資本主義崩壊の首謀者たち』 広瀬隆/著 集英社新書

2009年8月5日水曜日

読み聞かせ

僕が書店の児童書売場で働いていた頃に強く感じたことの一つに「たくさんの出版社が様々な絵本を出版しているのに、なぜある出版社ばかりに人気が集中するのだろう」という疑問がありました。絵本のブックリストを見ても、出版社に偏りを感じることが少なくありません。そんなこともあって、出版営業代行の仕事を始めた頃から僕は「僕が本当に気に入っておすすめしたい絵本を紹介する活動をしたい!」と思うようになりました。それはまさしくデパートの台所用品売場で包丁の実演販売をしているのと同じイメージでした。ですから僕の活動は書店での読み聞かせが中心です。TVアニメやヒーロー物の本を見に来た子どもたちが、どれだけ僕の読み聞かせに反応しその絵本を面白がってくれるか、が見たいのです。目の前の子どもたちと"毎回が勝負!!"なのです。

2009年7月15日水曜日

講演録『植松努 信じる力』

北海道の真ん中でついこの間まで自動車修理をしていた男が、国からの援助も全く得ないで、本格的な人工衛星を飛ばすプロジェクトを進めていると聞いたら信じますか?
けして荒唐無稽なお遊びではありません。自分の生命保険を担保に世界で3基しかない実験装置を作りあげ、今やNASAとも連携するような世界的プロジェクトを進めているのが、植松努43歳です。
植松さんはずば抜けた履歴があるわけではありません。中学の進路相談で先生に「飛行機やロケットに携わる仕事がしたい」と言うと「おまえバカじゃないの?そんな仕事は東大にでも入らなければ無理。まして芦別に生まれた時点で無理。」と言われた植松さんが、今どうして本格的な人工衛星を作っているのでしょうか?
植松さんの心の友は、ライト兄弟やエジソンの『伝記』であり、ロケット作りの原点が誠文堂新光社の『よく飛ぶ紙飛行機』だったそうです。
この講演録は、取次ルートでは入手できません。僕は江戸川区にある「読書のすすめ」というアヤシゲな?書店に行って10冊まとめ買いしました。ご希望の方はご連絡ください。 
『植松努 信じる力』 NPO法人 読書普及会/刊 税込1200円

2009年6月19日金曜日

悔しい!!

「悔しい!」それがこの100ページ足らずのブックレットのような講演録を読んだ時の最初の感想だ。
北海道赤平市にある植松さんの会社は、9年前までお父さんと二人だけの町工場だった。ある時北海道大学の先生から「こんなもの作れないか」と打診があったときから、植松さんのロケット心に火がついた。爆発しないジェット燃料の開発、小型の人工衛星の開発から、自分の生命保険を担保に、世界で三基しかない無重力実験施設を作ってしまい、今は日常的にNASAから実験を委託されるような状況にある。
この9年の間に雇ったスタッフがまたユニークで大卒は数名、あとはラーメン屋や焼肉店でバイトしていたような、高校も満足に卒業したかどうかの若者だったりする。
北海道のど真ん中の芦別で生まれた植松さんは、中学の時の進路相談で「飛行機とかロケットの仕事がしたい」と言うと先生から「馬鹿じゃないの?お前の頭でできるわけないし芦別で生まれた段階で無理」
と言われたそうだ。その後宇宙開発の仕事をすると決めたときの税理士さんや銀行の冷笑・・・!!
そんな彼の原体験は『よく飛ぶ紙飛行機』二宮康明/著 誠文堂新光社/刊 だった。
そんな彼の心の友は、ライト兄弟やエジソンだった。そう!伝記から元気をもらっていたのだ。

僕が今まで漠然と思っていたことを、彼は明確に言い切っているのが悔しい。それが正しいから悔しい。しかもあっさりと実行してしまっているのがなおさら悔しい。そして僕より若いのが悔しい。

この本は、学校の先生必読書!子どもを持つ親の必読書!迷える若者の必読書だと思う。

『宇宙ロケットに夢をのせて~小さな会社の大きな挑戦~』 植松努/著 NPO法人読書普及協会/刊

2009年4月6日月曜日

『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』

大げさなタイトルだと思ったのですがどうやら本当のようです。著者の町山さんはアメリカ在住の映画評論家で、この本はアメリカのニュースから見えてくる様々な事柄を紹介したコラム集です。この本を読むと、当時のブッシュ大統領がいかにグレーな手続きで再選されたかが良くわかり、「世界中の治安はわが国が守る」と言っているアメリカ合衆国の大統領が、実はニューヨークのビジネスマンではなく、アメリカ南部の宗教に熱心な人たちの気持ち一つで決まってしまうことがわかります。
現在のアメリカを知る上で必読の書です。
(町山智浩/著 文芸春秋/刊 1,050円)