2011年2月8日火曜日
あなたのためだから
外為取引会社のCMに「あなたのためだから」と言って部下に残業を押し付ける上司や、勝手にケーキを横取りする友人が出てくるのがある。それを見ると僕が子どもの頃、母親がよく「あなたのために言っているのよ」と言いながら僕に色々な負荷をかけてきたことを思い出す。僕はその母親の期待になかなか答えることが出来ず、小学生にして常に胃がしくしく、たびたび口内炎が出来、友人から白髪を見つけられるような子どもだった。当時は親とはそういうものかと思っていたが、今なら断言できる。「あなたのためだから」の99%はそう言っている本人のためなのだと。母親が僕に様々な負荷をかけてきたモチベーションの源は、たぶんに自分の希望する道を我が子が歩んでくれれば自分が安心できる、母親としての評価が高まる点にあるのだと思う。「あなたのためだから」はその人に理路整然と説明ができない負荷をかける時の常套句。本当にその人のためになると思うのだったら、きちんと説明できなければ伝わらないし、たとえ伝わったとしても最終判断は本人に委ねなければ。だって人の未来を保障することなど誰にも出来ないのだから。
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