今から30年ほど前に、池袋リブロの人文書売場には「今泉棚」とあだ名される棚がありました。
先日、その伝説の棚を作った今泉正光さんのお話を聞いてきました。今泉さんは大変な読書家で、難解な本も読み解く読解力を持ち、著者や教授にも物怖じせずに会いに行っては議論をするような方だったそうです。その気になれば教授にもなれる方だと思うのに、今泉さんは書店員になります。150坪のキディランド大宮店では寒空の中駅前で婦人誌を売ったり、前橋西友時代には地元の読書会に顔を出すことで売上を伸ばしたりと、実践的な行動力のある方でした。当時「西武ブックセンター」という名称だった池袋リブロに移り、その博識と人脈を活かしどんな読書家をもうならせるような人文書の棚を作り、売上も飛躍的に伸ばしたそうです。
その後リブロを去り、前橋かんこ堂を経て現在は長野平安堂の古書売場にいるそうです。
お話を聞いていて一番感じたのは、今泉さんのような書店員に年棒1000万円以上払えるような仕組みを作れなかった点に、書店業界の大きな問題があったのではないか、という事です。
2011年2月8日火曜日
あなたのためだから
外為取引会社のCMに「あなたのためだから」と言って部下に残業を押し付ける上司や、勝手にケーキを横取りする友人が出てくるのがある。それを見ると僕が子どもの頃、母親がよく「あなたのために言っているのよ」と言いながら僕に色々な負荷をかけてきたことを思い出す。僕はその母親の期待になかなか答えることが出来ず、小学生にして常に胃がしくしく、たびたび口内炎が出来、友人から白髪を見つけられるような子どもだった。当時は親とはそういうものかと思っていたが、今なら断言できる。「あなたのためだから」の99%はそう言っている本人のためなのだと。母親が僕に様々な負荷をかけてきたモチベーションの源は、たぶんに自分の希望する道を我が子が歩んでくれれば自分が安心できる、母親としての評価が高まる点にあるのだと思う。「あなたのためだから」はその人に理路整然と説明ができない負荷をかける時の常套句。本当にその人のためになると思うのだったら、きちんと説明できなければ伝わらないし、たとえ伝わったとしても最終判断は本人に委ねなければ。だって人の未来を保障することなど誰にも出来ないのだから。
2011年1月10日月曜日
ホップステップジャンプ
昨年は “チーム絵本おやじ”が結成され10ステージほど活動したり、和歌山県の山奥の本屋さんイハラハートショップで読み聞かせをさせていただいたり、アメリカ出版研究会でお話させていただいたり、品川区の子育て中のパパママ相手にお話させていただいたりと、本業以外の活動もかなり増えてきました。絵本の読み聞かせばかりでなく、絵本や絵本作家の話、出版業界の話、そして子育ての話など、いずれもかなりご好評をいただいております。
お蔭様でスタッフも充実してきましたので、今年はもっと大きく活動の場を広げたいと思っています。
本年も宜しくお願いいたします。
お蔭様でスタッフも充実してきましたので、今年はもっと大きく活動の場を広げたいと思っています。
本年も宜しくお願いいたします。
2010年12月1日水曜日
イハラ・ハートショップ
朝日新聞出版/刊『すごい本屋!』の舞台、和歌山県のイハラ・ハートショップに行ってきました。
以前、東京国際ブックフェアでお会いした店主の井原さんからお電話があり「講談社のおはなし隊が店まで来るので読み聞かせして欲しい」と依頼があったからです。
そのお店の場所は、和歌山市から特急で40分の御坊市から路線バスで約1時間、その終点からコミュニティバスで約20分揺られた山奥にあります。以前は美山村と呼ばれたその地域の住人は約100人で、イハラ・ハートショップはその地区唯一の小売店なのです。ですから18坪ほどの店内には雑誌・書籍のほか、文房具、雑貨、お菓子、パン、アイスクリームなど多岐にわたる商品が並び、言ってみれば昔のよろずやさんのようです。
絵本の読み聞かせも大盛況の中終えることが出来ました。お店の近くには日本一のやまびこのポイントがあり、一人ヤッホーし、井原さんの用意してくださった温泉宿に泊めていただきました。
イハラ・ハートショップを見ていると書店の存続は、店主の気合次第に思えてきます。
以前、東京国際ブックフェアでお会いした店主の井原さんからお電話があり「講談社のおはなし隊が店まで来るので読み聞かせして欲しい」と依頼があったからです。
そのお店の場所は、和歌山市から特急で40分の御坊市から路線バスで約1時間、その終点からコミュニティバスで約20分揺られた山奥にあります。以前は美山村と呼ばれたその地域の住人は約100人で、イハラ・ハートショップはその地区唯一の小売店なのです。ですから18坪ほどの店内には雑誌・書籍のほか、文房具、雑貨、お菓子、パン、アイスクリームなど多岐にわたる商品が並び、言ってみれば昔のよろずやさんのようです。
絵本の読み聞かせも大盛況の中終えることが出来ました。お店の近くには日本一のやまびこのポイントがあり、一人ヤッホーし、井原さんの用意してくださった温泉宿に泊めていただきました。
イハラ・ハートショップを見ていると書店の存続は、店主の気合次第に思えてきます。
2010年11月7日日曜日
学校図書館
小学生が新しい本と出会う場所として書店の次に来るのは学校の図書室でしょう。しかしその小学校の図書室には1953年から2003年まで50年近く「当分の間、司書教諭を置かないことができる。」との暫定的な措置が取られていたため、大部分の学校において司書教諭が置かれずにいました。そのため図書室の管理は、クラスを持っている先生の片手間で行なわれ、図書の購入は出入りの書店にかなり依存するケースが多かったのです。生徒がどのような本を望んでいるのか、貸し出し頻度はどのくらいか、といった検討はほとんどなかったのだと思います。一方出版社にとって、毎年購入の予算が明確にあり、出版社が自社の都合でつけた価格の商品を、アドバイス通りに定価で購入してくれる、こんなおいしいお客様はいません。その結果、書店店頭の競争にさらされることのない学校図書館専用のセット商品が大量に学校に送り込まれていったのです。司書教諭のいなかった図書室は、ある時間以外は鍵がかけられ、一度も開かれること無く埃をかぶったままの本も少なくありませんでした。
子どもの活字離れを嘆く出版社は多いですが、その原因の一端は我々児童書出版業界側にあるように思えてなりません。
子どもの活字離れを嘆く出版社は多いですが、その原因の一端は我々児童書出版業界側にあるように思えてなりません。
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